"Trois jours et une vie":久々にピエール・ルメートル(Pierre Lemaitre)を読みました。
サスペンスに分類にされているようですが、そういうカテゴリー分けでは収まりきれない深さがありました。
ちょうど、少し鬱っぽい時に読んだので、余計に胸に迫るものがありました。
とはいえ、ところどころ、文の意味がしっかり掴めないところがあったので、2回目はフランス語の勉強のために、訳本「僕が死んだあの森」を図書館で借りてきて突き合わせながら読みました。
プロの訳者さんて、うまいな〜。こう訳すのか〜、と感心しきり。まだまだ日本語で読んだ方が、より胸にスッと入ってくる部分があり、自分のフランス語力の足りなさを痛感。
一方、「あれ、この一文、訳されてないの?」と思ったところが、少し離れたところに組み込まれていたり、「ここまで意訳しちゃっていいの?」と感じるところも。
まあ、確かに、日本語での読みやすさは抜群で、amazonのレヴューにも「訳書であることを忘れるほど読みやすい」と書いてありました。
さて、そこで今日の本題なのですが、これまで訳書と付き合わせて読んだのは、これを含めて3冊。「茶色の朝」と、同じくピエール・ルメートルの「天国でまた会おう」です。
2019年に初めてAu revoir là-hautを読み、それから2年後、訳書を買いました。経緯は以下に記載。
5年前のことですから、今よりまだフランス語力が弱かったわけで、どうしても意味が取れないところを確認したかったというのもあります。
そしたら、あれ?その部分の訳がない!
それで、すごく気になって、最初から逐一確かめながら読むことにしました。
そうしたら、最初に気がついたパラグラフだけでなく、もう1箇所もひと段落丸ごと訳書には載っていませんでした。(以下、写真の通り)
どうしても気になって、しばらくしてフランス語をお仕事にされている方に上の写真を見せて確認したところ、「ほんとだ、抜けてるわね」と。
私の見間違いじゃないことがはっきりしたので、出版社に問い合わせのメールをしました。
出版社の方も、欠落を認められ、「どうしてそうなったかの経緯は調べて必ずお返事します」との返信をいただいたものの、その後なしのつぶて。
私、気になって仕方がないのです。
校正段階のミスで落とされてしまったのか
役者が訳し忘れたのか
意図的に訳さなかったのか
だって、ゴンクール賞を取った作品ですよ!いくら、内容に直接関係ないとはいえ、二段落も消してしまうなんて、良いのですか?
どなたか、事情わかる方がいらしたら、教えて欲しいです。
そういえば、「茶色の朝」も一文抜けてたなあ・・・。
やっぱり、原書で十分堪能できるようにならなくちゃ。