愛と平和とフランス語

ほとんど自分のためのフランス語学習記録&ときどき時事問題

「言葉の森」の勉強法

9月27日の記事で取り上げた「あん」の著者であるドリアン助川さんにはまっています。その後、縁あって、フェイスブックで「お友達」にならせていただきました。そこで、なんと、ドリアンさんはフランス語ができることを知りました!

脇役で出演した河瀬直美監督の映画がカンヌ映画祭に招待された時にフランスへ行き、とても印象が良かったのだそうです。その時は英語しかできなかったので、今度はフランス語ができるようになって南仏を訪れたいと、49歳で勉強を始めたそうです。ゼロからの出発です。FBのやり取りを見ると、今はフランス人と普通にコミュニケーションをとられています。

ドリアンさんの勉強法はとっても個性的です。

フランス語学校には週一回通い始めた頃、あるアメリカ人の翻訳者にこう言われたそうです。

「例えば、アルチュール・ランボーに興味が湧いてフランス語を学ぶなら、ランボーに関する言葉に限定して学んでいく、そういうやり方じゃないと、もう時間がないよ」

そこからドリアンさんの変わった勉強法が紹介されます。

【そこで始めたのが、大好きな『星の王子さま』に出てくる言葉だけを覚えていくというやり方でした。フランスの子供なら八歳くらいで読めてしまうという『星の王子さま』。この童話の原文に登場するすべてのフランス語を、自分の言葉の森として植林し始めたのです。】

具体的な方法が二つ紹介されていて、その一つが、フランス語の核である動詞に焦点を当てた勉強法。

【『星の王子さま』の原文をノートに書き写しながら、動詞と助動詞のみを(  )であけていきます。いわゆる虫食い問題というやつです。次に、この書き写した方の『星の王子さま』を毎日読んでやります。(  )の中を忘れてしまい、立ち往生したり、読めなくなるのはこれまた毎日のできごとですが、めげてはいけません。王子様と歩んでいく勉強法なのですから、楽しく繰り返せばいいだけです。そういうしているうちに、(  )があってもだんだんと読めるようになってきます。】

もう一つは、『星の王子さま』に出てくる単語をすべて覚えること。たとえ、un serpent boa (ヘビのボア)というレアな単語であったとしても・・・。

詳細はこちらの本をお読みください。

ドリアンさんは独自のやり方で、自分のために楽しく学んだ結果、勉強を始めて一年目で仏検4級、2年目に準二級に合格したそうです。今は普通にフランス人とやりとりされているので、さらにレベルアップしていると思います。

 

この本を読んで、私も自分の学習方法や目的について、考えてしまいました。 ここまで続けてきたんだから、もっとフランス語ができるようになって、読書も会話も文章書くのもなんでもござれ、という状態になりたい、そのためには今度はC1を受けるんだ!と頑張ってきたここ1、2年、でも、試験内容が私にはハードルが高すぎて、ちょっとめげそうな今日この頃。先生によると、「フランス人でもちゃんと準備しないと受からない試験だよ」と。

もっと単純に、自分が楽しめるためのフランス語でもいいのかな・・・。私のフランス語学習のきっかけは映画「天井桟敷の人々』。ギャランスのセリフを言ってみた〜い、と思ったあの頃の気持ちに戻って、シナリオを読み返しているところです、ドリアン式勉強法までやってみるかな?

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