4月10日はフランス大統領選挙。他人事ながら、どきどきします。
フランスでは、まず第一回目の投票で過半数をとった候補者がいればその人に決まります。が、通常そういうことはないので、上位二人で2週間後に決選投票となります。
今のところ、現職のエマニュエル・マクロン(La Republique en Marche)と、前回も決戦にすすんだマリーヌ・ルペン(Rassemblement National) が上位につけているようですが、ルペンの後を追うのがジャンーリュック・メランション(La France Insoumise)。
今のところマクロンは大統領としての仕事に集中するということで、討論番組などには出ていないようですが、決選投票前には二人の討論をしないわけにはいかないでしょう。
私としては、今回はメランションに勝ってもらって、マクロンとの議論を見たいです。
それに、もし私に投票権があったら、マクロンかルペンかの選択って、ちょっと辛いし、ちっとも盛り上がらないもの。
と言うものの、ルペンは極右、メランションは極左、マクロンは(自称)中道、という以外、実は政策をよくわかっていないので、ちょっと勉強しようと、HugoDécrypteのユーチューブ動画を見てみました。
Hugoは25歳という若さながら、大学在学中から政治系ユーチューバーとして活躍。今回の大統領選でも候補者へのインタビューもしています。
インタビューとは別に、それぞれの政策を10項目にまとめたビデオがあったのでみてみました。すごい、まとめ能力。しかもわかりやすい。
しかも、メランションから直々にコメントも入ってる!
1. Augmenter Le SMIC
SMICというのはSalaire Minimum Interprofessionnel de Croissanceの頭文字で、日本語では「全産業一律スライド制最低賃金」。
フランスでは現在月に1269ユーロのところを1400ユーロにすると言っています。
また、25歳以下の若者には自立補償として月に1063ユーロの支給を目指すと。
2. Service Citoyen Obligatoire
25歳以下の若者には9ヶ月何らかの社会貢献に従事してもらう義務を課す。例えば環境保護活動とか。ボランティアではなく最低賃金が支払われる。
3. 100% d'Energie renouverable d'ici à 2050
2050年までに100%再生可能エネルギーを目指す。原発、石炭火力は廃止。
4. Régle Verte dans La Constitution
OGM (Organisme Génétiquement Modifié)遺伝子組み換え作物のや農薬など人体や環境に害を与えるものは禁止。
5. Créer une Université de L'Eespace
宇宙開発・研究を強化する。
6. Taxer Lourdement Les Plus Gros Héritages
貧富の差の解消のため、相続税を(かなり)上げる。
7. Retraite à 60 ans
現在の62歳定年を60歳に下げる。
また、夜中の勤務とか厳しい条件の仕事の人は32年働いたら辞められるようにする。
8. Instaurer La VIe République
第五共和政を終わらせ、第六共和政に移行する。権力が一部に偏りすぎているのを解消する。大統領の権力を減らし、国民が憲法を起草できるようにし、国民投票で決める。
9. Refonder La Policee
警察への信頼が失われているので、現在のBAC (Brigade Anti Criminalité-犯罪とりしまり)を廃止して、Police de Proximité (なんと訳せばいいかな?あなたの街の警察?)を作り、暴力的な警察からの脱却を図る。
10. Renégotier Les Traités Européens
自国製品を保護する一方、輸入品へは税金を課す。また、環境に配慮した商品には補助金などで援助する。
このほかにも、現在の18歳以上の選挙権を16歳からに引き下げるなど、大胆な政策です。
また、OTAN(Organisation du Traité de l'Atlantique Nord=北大西洋条約機構)からの離脱も公約に掲げているそうです。
宇宙開発には賛同できないけれど、その他の項目は希望が持てる良い政策だなあ、と私は感じました。左かもしれないけど、極左、とまで言われるほどかなあ・・・。
定年60歳はぜひ、日本もそうしてほしい。それはすなわち、年金支給を60歳からにするということ。
財源をどうするかについては、メランションの経済政策が興味深いと聞いたことがあるのでその辺り、もっと調べたいのですが、そこに入り込むほどの時間と、私のフランス語能力が足りません。
前回同様、今回もホログラムを用いたフランス全土10ヶ所以上での同時大規模集会などで成功を収め、左派が分裂状態の中、気を吐いているメランションです。
一方、ルペンの方は最初に移民問題が出てきます。しかし、前回の大統領選で掲げていた、EUからの離脱は主張しなくなったようです。
冒頭、ルペンは極右、と書きましたが、エリック・ゼムールが現れてから、彼女の右度(?)が薄まってるような・・・。
10日までに時間が取れたら、彼女の方もまとめてみたいと思います。