愛と平和とフランス語

ほとんど自分のためのフランス語学習記録&ときどき時事問題

Restos du Cœur 

フランスで絶大な人気を誇るユーモリストのコリューシュ(Coluche)が、41歳で亡くなる1年前に作ったResto du Cœur (心のレストラン)が存続の危機に陥っているようです。

 

www.youtube.com

 

代表のパトリス・ドゥレ氏によるとここ数年のインフレ傾向のせいで、レストランに来る人の数は増えるいっぽうなのに、寄付は減っているということで、現在は無料提供の食材のうち3分の1は購入せざるを得ない状態となっています。

 

昨年は1億4200万食(すごい数なんですけど、私が聞き間違えてます?)、今年はさらに増えて1億7000万食提供しているということです。それでも経営危機から、断るケースも増えていると。

 

このままでは3年以内に終わりを迎えるということで、窮状を訴え、寄付を募っています。

 

www.restosducoeur.org

 

 

それに即反応したのがフランスの大富豪の一人、ベルナール・アルノーです。1000万ユーロの寄付を申し出たとのこと。

 

www.liberation.fr

 

この記事の中で興味深かったことが2点あって、まず一つがこの寄附に対して連帯保健省の大臣がお礼を述べたことに対する左派議員のきつい一言です。

 

«Plutôt que de remercier la charité de Bernard Arnault, le gouvernement ferait mieux de s’occuper du partage des richesses, de taxer ces milliardaires spéculateurs, de leur faire réellement payer les impôts qu’ils doivent au pays. Les gens pourraient manger à leur faim»

 

【お礼を言うより、政府は富の分配に力を注ぐべきだ。投機で稼いでいる億万長者に課税し、国に納めるべき税金をしっかり払わせることだ。そうすれば誰も飢えることはないだろう。】

 

 

ごもっとも。

日本でも、子ども食堂を視察に行って、そこで食事して、「みなさんの活動に敬意を表します」なんて軽薄なこと言ってる政治家がいたけれど、子ども食堂なんてものが必要ないようにするのが政治家の仕事だろうが!と怒りが湧いたことを思い出しました。

 

 

そしてもう一点は、他の店舗(スーパー)が食料援助をしていることに関して、食品ロス削減法に言及している点です。

 

A noter que tout ce petit monde ne fait de toute façon pas œuvre de charité juste par bonté d’âme. Depuis la loi Garot de 2016 sur le gaspillage, les magasins alimentaires de plus de 400 m² sont obligés de donner à des associations leurs invendus encore consommables. 

 

【これらの人たちは、全くの善意からだけで援助をしているわけではないことを付け加えておかなければならない。2016年の商品ロス削減法の施行以来、400平方メートル以上のスーパーはまだ食べられる売れ残りは慈善団体に寄付をしなければならないのだ。】

 

 

日本でもこの法律、作ってほしいです。

毎日毎日、いったいどれだけの食べ物が捨てられていることか・・・。

 

 

その後他の記事も読みましたが、必ずしも慈善団体側はこのやり方を歓迎はしていないようです。そもそもこの法律で対象となっているスーパーマーケットは食品ロスの5%しか占めていないそうです。

また、大量に持ち込まれた場合のストック場所の確保や、仕分けなども手に負えなくなると、不安の声も上がっているようです。(9月7日追記)

 

 

この法律に関して、日本語の詳しい資料がこちらです。私もまだ少ししか読んでいませんが、参考になりそうです。

 

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2019pdf/20191001003s.pdf

 

 

コリューシュについてもっと知りたい方は、こちらのページお勧めします。わかりやすくまとまっていると思います。

 

fetude.com

 

 

語句

boucler le budget : 収支を合わせる

fustiger : 強く非難する

crier au loup : 誇張して危険を知らせる