9月5日に行われた26歳のジャーナリストHugo Traversによる、マクロン大統領のインタビューがすごかった!
彼の動画はたまに見ていましたが、喋りが早くて、聞くだけだとざっくりとしかわかりません。たまに関心のあるものは字幕チェックしながら見ていました。
聴解力をつけるために動画の要約をしてみる - 愛と平和とフランス語
Le débat - マクロン vs ルペン - 愛と平和とフランス語
今回のインタビューは2時間近くもあります。料理しながらざっと見ただけですが、マクロンのマシンガントークに絶妙に切り込み、問題点を浮き彫りしています。
Hugoのことを「ユーチューバー」と紹介している人が多く、そこにちょっとムカついて、この記事を書くことにしました。
1997年4月生まれ。2015年Science Po.に入り、程なくYouTubeにHugDécrypteのチャンネルを解説。主に若者へのニュース提供と目的とし、あらゆるネットツールを駆使して若者の声を吸い上げ、インタビューにも活かしています。
前回の大統領選挙のときは、ほぼ全ての候補者にインタビューしています。
とりあえず、最初の話題 La santé mantal の部分(13分ほど)をじっくり見てみました。
ユーゴはまず
「フランスは世界で7番目の大国でありながら、若者の5人にひとりが鬱傾向にあり、自殺者も過去最高に増えている。なぜこのような深刻な事態になっているのか?対策は?」
と問います。
これに対してマクロンは
政府として予算はかなりかけている
大学生になるよりもっと前から適切な診断をすること
なぜそうなったかを見極め、予防に力を入れる
若者には利用券を発行して、診療代の負担をなくす
精神科医が少ないのは事実なので、これから10年かけてもっと養成していく
などなど力説するのですが、ユーゴは相手の言ったことをきちんと聞いた上で
「確かに予防は大事ですが、今、危機的状況なんです。10年後、でなく、今、どうしますか?自殺者の多さには心が痛みます」
というのですが、マクロンの返事は同じことを言い方を変えて言っているだけ。
私は今回初めてマクロンの話をじっくり聞いてみて、「あれ?意外と中身がない?」と感じました。
それに比べてユーゴの質問の無駄がない的確さや、相手に敬意を払いつつ質問している態度に感心しました。
続きも少しずつ聞いていきたいです。テーマごとにタイムコードが付けられているので、細切れでも見やすいですし。
やはりユーゴはユーチューバーではなく、ジャーナリストと呼ぶべきですね。
とにかくすごい数の動画をあげていますが、通常は10分程度なのでアクチュアリテに通じておくのに役立ちます。最近はメインのテーマはユーゴが、その他の話題(海外含め)はスタッフが紹介しています。
オマール・シーやアンジェルなど、有名人へのインタビューもしています。信頼されているのでしょうね。
日本にはジャーナリストと呼べる人が本当に少なくて、まともなインタヴューや記者会見なんて久しく見てない気がします。そもそも政治家が自分の考えを言えない情けない国です。
ユーゴの5年後、10年後はどうなっているんだろうな。