何年か前に読んだ「Tistou Les Pouces Verts」をもう一度読み返しています。当時は今よりもっとフランス語力がありませんでしたけれど、これは子ども向けでもある優しいお話なので、なんとか読み通すことができました。 今、改めて読んでみると、以前よりだいぶ楽に読み進められています。
著者はMaurice Druon (モーリス・ドリュオン)。「Les Grandes Framilles」(=大家族)でゴングール賞。子ども向けの本はこれ一冊だそうです。第二次世界大戦に出征し、その後移住先のイギリスでレジスタンスを呼びかけたという経験から、この本も、平和を求める子どもの心に寄り添った、暖かい物語となっています。
Quand les grandes personnes parlent à voix haute, il arrive que les petits garçon ne les écoutent pas.
- Tu m'entends, Tistou ?
Et Tistou de répondre « oui, oui » avec la tête, pour paraître obéussant, alors qu'il n'a fait aucune attention.
Mais dès que les grandes personnes commencent à baisser la voix et à se confier des secrets, les petits garçons aussitôt tendent l'oreille et cherchent à comprendre justement ce qu'on ne voulait pas leur dire.
Et cela ils sont tous les mêmes, et Tistou ne faisait pas exception.
【大人が大きな声で話す時、往々にして子どもは聞いてやしません。
「ティトゥ、聞いてるの?」
ティトゥはちっとも聞いてなくても、「うん、うん」と頷いて、いうことを聞いているふりをするのです。
だけど、大人が声を低くして、秘密の話をしようとすると、子どもはすぐに耳をそばだてて、大人が子どもには言いたくないことを聞こうとするのです。
たいていその通りで、ティトゥの場合も例外ではありませんでした。】
モーリス・ドリュオン、子どものことがよくわかっていますね!
さて、ここで語句のチェック。
se confier : 意中を打ち明ける、身を委ねる
・Elle ne se confie à personne. 彼女は誰にも胸の内を明かさない
・se confier au hasard 偶然にみをゆだねる、運を天に任せる
faire exception : 例外をなす、規則から外れる
faireもexceptionも知ってる単語で、意味はわかりますが、自分で文を作る時、さらっと出てこないな、と思いました。
訳本は、挿絵がカラーでとても綺麗です。