愛と平和とフランス語

ほとんど自分のためのフランス語学習記録&ときどき時事問題

「誰が星の王子さまを殺したのか」

安冨歩さんの書いた『誰が星の王子さまを殺したのかーモラル・ハラスメントの罠』という本を読みました。まえがきにこのように書いてあるように、とても刺激的な視点で解説してあります。

 

【『星の王子さま』が描き出しているものは何か。それは人間というコミュニケーションなしでは生きられない生き物が取り交す、そのコミュニケーションそのものに潜んで人間を苦しめる「悪魔」の真相だと私は考えている。サン=テグジュペリは、この悪魔に取りつかれ、悶え苦しみながら生き抜いて戦い続け、そして死んでいった。『星の王子さま』はその悪魔についての命がけの報告書なのである。】

星の王子さま」 自体は、ほとんど、フランス語の勉強のためとして読んだので、「大事なものは目に見えない」とか「恥ずかしさを忘れるためにお酒を飲むんだ」といった有名なフレーズは頭に入っていたものの、深くは読み込めていませんでした。

この、安冨さんの本を読んで、すごくびっくり!そうか〜こんな捉え方もあるんだ〜、と。で、実際言われてみると、そう思える節もたくさんあります。私もいまではフランス語、だいぶ読めるようになってきたので、もう一度読み返して見たいと思います。

その前にLa Tresse(三つ編み)を読まないと!昨日、やっと、2回目のAu revoir là-haut (天国でまた会おう)を読み終えたとこです。

ところで、安冨歩さんの本を読むことになったきっかけは、現在真っ最中の参議院選挙で「れいわ新選組」から全国比例で立候補していらして、そのスピーチが私の教育観とぴったりで、しかも、スッキリと言語化がすばらしかったので興味を持ちました。著書がたくさんあるとのことだったので、調べて見たら、なんと『星の王子さま』について書いてあるではありませんか!

ご興味のある方は、こちらのスピーチをご覧ください。

FBでどなたかが文字起こししてくださっていたのをいただきました。一部省略しています。

「子どもの虐待ってのは、普通に虐待と思っているようなものだけではありません!私の両親は、私を立派に育てました。京都大学に入って、住友銀行に入って、大学院に入って博士号を取って大学教授になって」

「最後は、東京大学の教授になるという立派なエリートコースを歩んで、立派に育てたんですが。でもその私は、虐待のサバイバーだと思っています!」

「子どもを守るというのは、私のような人間を作らないという事です!私は京都大学に合格した時も、日経経済図書文化賞を取った時も、東大に職を得た時も、嬉しくなかったんです!」

「いつも私は、そういった時にはホッとしていました。この(日経経済図書文化)賞取らなければ死ぬと思ってました!本当に怖くて!受賞したのでホッとしたんですね」

「完全におかしいです!成功する人間というのはそういう人間です!成果を上げなければ、生きてる値打ちなんかないって心の底から思ってるから成果を挙げられます!」

「東大や京大に合格するような勉強を、そんな事の為に青春を捧げるのは、マトモな人間には無理です!合格しなかったら、死ぬって思ってるから合格するんです!そんなふうに子どもを育てるのは、虐待です!」

「考えてみて下さい!この国はそういう学歴エリートによって指導されています。私達エリートは怯えています!誰かに何かを言われるんじゃないかと怯えています!」

「特に、自分に力を振るう人に叱られるのに怯えています!50何歳にもなっても、『あゆむ』という名前を呼ばれただけで私は怯えるんです!」

「そんな人間に社会を指導させたら、どうなるか想像して下さい!何故彼らは、原子力発電所のような、最初から安全に運営する事など不可能なシステムを、安全に運営出来ると信じられるのか?考えて下さい!」

「彼らは偉い人に、叱られるのが怖いのでそう信じられるんです!そういう人々に、この国を任せてはいけません!」

「怯えない人に任せないとダメなんです!自分自身が自分自身である事を受け入れてる人!自分がオカシイと思ったら、オカシイと思える人!そういう人にしか、重要な決定を任せてはいけません!」

「安倍さんは 学歴エリートではないです。だけど、彼はもっと凄いエリートの家の出身です。そういう人々も、怯えています!」

「お母さんに叱られる事に怯えています!おじいさんの夢を実現出来ないと叱られるから怯えてるんです!恐怖に駆られて決定を下す人に、社会を任せれば、社会は滅亡に向かいます!」

「私達が必要としているのは、怯えない優しい強い!そういう心を持った人々です!それは残念ながら、れいわ新選組の人々の中にもいないと思うんです」

「私達は、子ども達を守らないといけません!さもないと、この国の戦争は終わりません!私達の心に埋め込まれた恐怖心が、この発展した豊かな社会を生み出したんです!」

「そんな恐怖心によって生み出された豊かさはニセモノです!その豊かさは、収奪によってしか成り立ちません!何を収奪しているのか!?貧しい国の人々!私達の社会の中の弱い人々!そして自然環境です!」

「私達の豊かさは、これらの破壊によってその犠牲によって成り立っています!そのような暴力性を帯びた豊かさを、味わっても美味しくないんです!その味は苦いんです!」

「だから私達は、どんなに立派な家に住もうと、どんな立派な都市に住もうとも、どんなに優れた製品を使おうとも心が空っぽになっています!」

「私達が幸福だと感じる時!私達は幸福です!何かを手に入れても、幸福にはなりません!そして恐ろしい事に、怯えに支配された人間は、何を手に入れても、何をやっても感じません!」

「暇潰しが出来るだけです!暇潰しをやめましょう!自分達が何を食べているのか?感じましょう!美味しいものを食べましょう!気持ちのいい家に住みましょう!楽しい事をやって下さい!」

「その為の心を取り戻しましょう!その為には、私達は子ども達に学ばないといけません!子どもを叱るのをやめて下さい!子どもを躾ける権利なんて大人にはありません!」

「今日、阿佐ヶ谷で小学生3人とお話をさせて頂きました。お腹が空いていてご飯が食べられない子どもがいるのに、学校に何百万円も掛けて学校を運営してるんだと言ったら、『何でそんな事をするんだ』と!『まずお腹の空いた子にご飯を食べさせてから、学校作ればいいじゃないか』と!小学生は私に言いました!」

「『何でそんな事するの!?』と聞かれました!『大人が狂ってるからです!』と私は答えました!私達の狂気を、今日断ち切って!子ども達を守って、本当に楽しい社会を、今作りましょう!」