愛と平和とフランス語

ほとんど自分のためのフランス語学習記録&ときどき時事問題

La Syndicaliste :映画と本

こちらで紹介した映画を見てきました。

 

 

 

その映画の前に、原作を読み終えました。

 

 

著者のカロリーヌ・ミシェル=アギーレは前書きでこう述べています。

 

Comment cette suite d'événements peut-elle avoir eu lieu dans le pays où je vis, sans que personne ne s'en soucie ou presque ? La question continue de me tourmenter. Si j'ai écrit l'histoire de Maureen Kearney, c'était d'abord pour la sortir de l'oubli. Il me semblait que si nous poursuivions collectivement notre chemin, en faisant comme si rien ne s'était passé, nous allions perdre une part de notre humanité.

「私の住むこの国で、一連のこの出来事がどうやってほ、とんど誰も気にかけることなく起こり得たのだろうか。この問いがずっと私を悩ませていた。私がモーリーン・カーニーの事件を書けば、とにかく忘却の中から救い出すことになる。何もなかったかのようにして生きていくなら、私たちは人間性の一部を失うことになってしまう気がしていた。」

 

彼女のこの思いが綿密な取材の上でのこの本となり、超有名女優を起用した、より多くの人々にアプローチできる映画となりました。実際、映画化により、この事件のことが以前とは比べ物にならないほど注目されるようになったそうです。

 

映画の最後の方のシーンで、著者のカロリーヌ・ミシェル=アギーレも記者として少し出てました。

 

 

モーリーンを演じたイザベル・ユペールは好きな女優さんで、とてもカッコよかったですし、全く飽きさせない2時間でした。けれど、彼女の苦悩は本を読まないと伝わらないのではないかと感じました。

 

 

被害者であるモーリーンが、「事件をでっち上げた」ということにされるその流れ、彼女への12時間に及ぶ尋問、頭がおかしくなりそうになり、「私が嘘をつきました」と言ってしまうその様子、また、自分の娘や孫まで巻き込んでしまうかもしれないという不安と恐怖、このあたりは映画の中ではあまり触れられていませんでしが、読んでみるとその気持ちが痛いほど伝わります。

 

それと、事件に至るまでの社内の様子や、ちょうどサルコジからオランド大統領に変わる頃で、いろんな政治家の実名(マクロンも)が出てくるのも興味深い。

 

 

また、福島原発の事故により、原発産業がヨーロッパ内でも先細りになり、そのため、中国との契約を進めることになったという流れもよくわかります。三菱重工の社員の名前も実名で出てきます。

 

 

フランス語学習者の皆様には、ぜひぜひ、この本、おすすめしたいです。

 

les-chats-pitres.com

 

語句

○ mettre la main sur ~  〜を見つける

 

 En sortant de Bercy, la syndicaliste n'a qu'une idée en tête : mettre la main sur les fameux contrats.

ベルシーを出ながら、彼女はこのことだけを考えていた。問題の契約書を見つけるのだ。

 

 

○ être dans le collimateur  狙いをつけられている

 

C'est une tempête sans précédent, comme on en voit rarement dans la presse. Mon journal n'est pas le seul dans ce cas : les journalistes de L'Expansion, de La Tribune, des Echos sont aussi dans le collimateur pour leurs écrits jugés trop critiques.

報道関係者の中でも滅多に見られないような、かつてないほどの嵐がだ。私の雑誌だけではない。エクスパンシオン、トリビューン、レゼコーも(この件を)強く批判しすぎたとみなされた記事のことで、避難の的となっている。

 

 

○ prendre des dispositions 手はずを整える

 

Anne Lauvergeon a eu peur pour ses enfants. De ce jour, elle a pris des dispotions

アンヌ・ロヴェルジョンは子供のことを心配し、その日から手をうった。

 

 

○ passer un savons à ~ 〜に大目玉をくらわせる

 

Luc Oursel convoque Maureen Kearney dans son bureau, au cinquième étage, et lui passe un savon qui la laisse tremblante.

リュック・ウルセルは5階のオフィスにモーリーンを読み出し、彼女を震え上がらせるほどの罵声を浴びせた。

 

 

来年の手帳と決意!

より使いやすいもの、気分の上がるものを求めて、毎年違う手帳を使っています。

 

今回は、ちょうど上京する機会があったので、銀座の伊東屋さんで吟味し、これに決めました!

 

 

 

 

過去最高に気に入ったかも。

 

特に良いと思ったのがこのページ。

 

10月から書く欄があったので、もう使っちゃってます。

 

日々、あれこれ手を出しているのですけど、バランスよく勉強できているかな?いっぱいやったようで、実はあまり進んでない?そんなことが気になって、先月から自分でこんなシートを作ってチェックしていました。

 

 

でも、逆に細かく分けすぎちゃってたので、この手帳にしてからは、話す、書く、読む、聞く、プラス、何か参考書、というふうに項目を変えました。

 

このほうが自分がわかりやすい。

 

先日アンサンブルの先生に、来年もC2受けます!その後もう一つチャレンジがあるんで〜す!そして、一番の目標は、死ぬまでにフランス語をモノにすることです!!(何をもってモノにする、と言えるのかは曖昧ですが・・・)

 

と打ち明けたら、先生もさらに気合が入り、厳しくなりました。^^"

 

 

でも、そのくらいしていただかないと、もう、漫然とやっていたのでは、人生終わってしまいます。それに、記憶力もどんどん落ちて、そのうち認知症になるんじゃなかろうかという不安も常に抱えています。

 

 

なので、頑張れる時に頑張らないと!

 

このところ、詩を暗唱するという課題が出て、最初は「無理〜」と思うのですが、やってみればできるものですね。

 

この間のレッスンでは途中忘れちゃって、すごく悔しい思いをしたので、この次は完璧にしてみせる!!

 

 

あっという間にひと月一月すぎていきます。レッスンが終わるたびに、自分でも前進を感じられないと半年、一年はあっという間。

 

 

星の王子さまと共に、頑張ります!

 

来年もこのシリーズにしたいけど、どこで買えば・・・と思ってたら、アマゾンに出てました。いやだけど、やっぱり便利なアマゾン。--""

 

 

Le consentement-ヴァネッサ・スプリンゴラの「同意」が映画化

2年前に読んだVanessa SpringoraのLe Consentement これが映画化されたそうです。

 

当時14歳だったヴァネッサは、小児性愛者のガブリエル・マツネフの餌食となり、それを愛だと思い込まされてしまうのですが、次第に、何かおかしい、と思いはじめます。

 

彼と別れてからも心の傷は深く、30年以上経ってから、やっとその当時のこと、自分の心の変化、周囲の環境などをまとめたものがLe Consentement です。

 

www.youtube.com

 

もう少し詳しいことは↓こちらをご覧ください。

 

francemonamour.hatenablog.com

 

この映画が日本でも公開されるかどうかわわかりませんが、もう一度本を読み返してみました。

 

彼と「恋人関係にある」と思い込んでいたヴァネッサが、人から何を言われても聞く耳を持たない様子、自分を取り戻すまでの苦しい日々、一読に値すると思います。

 

Depuis tant d'années, je tourne en rond dans ma cage, mes rêves sont peuplés de meutre et de vengeance. Jusqu'au jour où la solution se présente enfin, là, sous mes yeux, comme une évidence : prendre le chasseur à son propre piège, l'enfermer dans un livre.

「長いこと、私は檻の中をぐるぐる回るだけで、夢は殺すことと復讐することでいっぱいたった。ついに解決方法が見つかるその日までは。狩人を捕まえて、本の中に閉じ込めればいいのだ。」

 

 

語句

⭐︎connaître sur le bout des doigts 熟知している

 

[A coups de belles reparties, de citations placées toujours à propos, l'homme qui, je le comprends rapidement, est écrivain, sait charmer son auditoire et connaît sur le bout des doigts les codes du dîner.]

 

 

⭐︎n'en pas revenir 非常に驚く

 

 

⭐︎le plat de réssistance  メインディッシュ

 

 

⭐︎n'y voir que du feu 何も気がつかない

 

[Non, on passera tout au féminin, et on utilisera tes mots à toi, elle n'y verra que du feu.]

 

 

⭐︎avoir la présence d'esprit de はっと気がついて〜する (危険を回避するシチュエーションで)

 

[De toute façon, ma mère, à qui il a osé faire cette demande insensée, a eu la présence d'esprit de refuser tout net.]

 

 

⭐︎en prendre de la graine それをお手本にする

 

 

映画:私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?

映画館で予告編を見て気になって検索してみたら、2012年に実際に起こった恐ろしい事件を映画化したものでした。

 

www.youtube.com

 

 

フランス原子力会社のアレバで労働組合の長を務めるモーリーン・カーニーは、会社がEDF(フランス電力会社)とCGNPC(中国原子力企業)の間で技術移転を伴う機密の契約を交わそうとしていることを知ります。

 

その契約に伴い、大量の解雇者が出ることから、カーニーは反対の声を上げるのですが、ある朝、何者かに襲われ、椅子に縛り付けられているところを昼に出勤してきたお手伝いさんに見つけられます。

 

 

リベラシオンの記事に詳しく書かれていました。(リベだけ購読しています)

www.liberation.fr

 

パソコンの画面で読むのが疲れるので、以前は気になった記事は、すぐ印刷していたのですが、プリントアウトするとそれで満足してしまって、最後まで読まないことが多々あり、書き写すことにしました。

 

 

 

自分の字が汚すぎて嫌なのですが、それを克服すべく、筆記体の練習もかねて。

長い記事だったので、6ページに渡りました。やっぱり字、下手だな・・・。

 

 

 

Interrogée par les enquêteurs, Maureen Kearney, âgée de 57 ans à l’époque, affirme avoir été agressée, indique que les faits sont liés à son activité syndicale et décrit un climat très tendu avec la direction d’Areva. Elle est en effet farouchement opposée à la signature d’un accord confidentiel (qui a eu lieu le 19 octobre 2012) entre Areva, EDF et l’opérateur chinois d’énergie nucléaire CGNPC, qu’elle estime dangereux pour les emplois sur le territoire français. Elle assure avoir reçu des menaces en amont et précise que son agresseur, lors des faits, lui aurait dit : «Il n’y aura pas de troisième avertissement.»

 

「事件当時57歳のモーリーン・カーニーは捜査官の質問に、こう答えていました。

”襲われたのは事実です。この事件は組合活動と関係があります。アレバの経営陣とは緊張関係にありましたから。”

 

彼女はアレバとEDF中国企業CGNPCの間での機密合意に反対していました。それはフランスで働く従業員の解雇につながると知ったからです。以降、脅しを受けるようになり、事件の時は”三度目があると思うなよ”と言われたということです。」

 

 

こちらはモーリーン・カーニー本人が話しています。元々はアイルランド出身で、英語の教師としてアレバに入ったので、英語訛りのフランス語です。

 

www.youtube.com

 

酷い目にあったと言うのに、「証拠がない」と言うことで、逆に彼女が事件をでっち上げた(dénonciation mensongère)と言うことで訴えられてしまうのです。

 

散々責め立てられ、眠れない、食事もできない、そして、事件の時の脅し文句が彼女を苦しめます。次のターゲットは娘か孫になるのではないかと。

 

そして、彼女は「でっち上げました」と言ってしまうのです。その後は戦う姿勢を取り戻すのですが、何度も死のうと思ったそうです。

 

 

現在彼女はパートナーの暴力で心身ともに傷ついた女性を支援する団体で活動をしています。

そこに来る女性たちには、まず

 

Je vous crois. (あなたを信じるわ。)

 

と伝えるそうです。

 

「あきらめないこと、どんなに苦しい道のりでも、挫けそうになっても、また立ち上がるの。私たちがついています。」

 

と、男性社会での暴力に打ちのめされた女性たちへ語りかけます。

 

苦しみを乗り越えた者が持つ、深い優しさを感じます。

 

 

こちらは、映画の元となった本 La syndicalisteを書いたL'Obsの記者Caroline Michel-Aguirreの話です。この本、現在レシャピートルさんに注文中。届くのが楽しみ!

 

www.youtube.com

 

結局2017年にdénonciation imaginaireの罪で有罪となったものの、その後弁護団を替え、2018年にこの罪状での無罪を勝ち取りますが、犯人はわからないまま。

 

しかし、新たな弁護団によると、当時、DNA採取はしたものの、それが適正に分析されていなかったことがわかったそうです。闇、深すぎですね。

 

語句

une séquestration : 監禁、幽閉

infirmer : ・・・を無効にする、(判決)を破棄する

faire appel de cette décision : この決定を不服として上訴する

un pourvoi : 上訴、上告

la cour d'appel : 控訴院

un prévenu : 刑事被告人

un arrêt : 上級審の判決

désister : 取り下げる

une officine : (陰謀などの)計画場所、本拠

calquer : 模倣する

de prime abord : 一見したところ

気になる本は買っておく 

ちょっとづつフランス語で本が読めるようになってきたのは何年まえからだろう。

 

2013年、雑誌「ふらんす」でPierre LemaitreのAu revoir là-hautが紹介されていて、すごく気になり、まだ読めるわけもないのに購入しました。実際、最初の数ページで断念。

 

 

しかし、それからコツコツと勉強を続け、2019年にはなんとか読破できました!

買っててよかった、この本。

 

francemonamour.hatenablog.com

 

 

↓こちらの本も、買った当時は読めず、今やっと楽しめるようになってきています。

 

 

左はアルベール・カミュとマリア・カザレスとの恋文。1944年から始まった手紙のやりとりは、カミュに妻がいたことからマリアが別れを決めた数年を除き、彼が自動車事故で突然の死を迎える直前の、1959年の12月30日まで続いています。

 

 

大量の手紙、小さな文字、4センチの厚みの本。寝る前にちょこっとづつ読んでいます。最後の手紙がとても切ない。しかも、この日の書き出しはBon. Dernière lettre.

 

A bientôt, ma superbe. Je suis si content à l'idée de te revoir que je ris en t'écrivant. J'ai fermé mes dossiers et ne travaille plus (trop de famille et trop d'amis de la

famille !).

Je n'ai donc plus de raison de me priver de ton rire, et de nos soirées, ni de ma patrie. Je t'embrasse, je te serre contre moi jusqu'à mardi, où je recommencerai.

「もうすぐだね、君に会えると思うと嬉しくてこれを書きながらも笑みが溢れてくるよ。書類は閉じて仕事は終いだ。(家族もその友人も大勢いるからね)

君の笑い声も二人の夜も故郷も、もう僕から奪う道理はないんだ。君にキスをするよ、抱きしめるよ、火曜日、また新たな人生を始めよう」

 

*1959年12月30日は水曜日で、火曜日にパリにいるマリアと会えるという状況の中での手紙のようです。最後の部分、下手な訳でごめんなさい。

 

ジャック・プレヴェールのParoles、詩は難しいけれど、彼は、私の大好きな映画「天井桟敷の人々」のシナリオを書いた人、と言うことで興味がありました。

 

 

(ちなみにこの映画の中で、結婚しても夫であるバチストの心はギャランスにある、という辛い立場の女性ナタリーを演じたのがマリア・カザレス)

 

 

買ってみたら、映画の中でギャランスが歌う「私は私」の詩があって、嬉しかった。

 

Je suis comme je suis

Je suis faite comm ça

Quand j'ai envie de rire

Oui je ris aux éclats

J'aime celui qui m'aime

Est-ce ma faute à moi

Si ce n'est pas le même 

Que j'aime chaque fois 

Je suis comme je suis

Je suis faite comm ça

Que voulez-vous de plus

Que voulez-vous de moi

........

「私はわたし

私はそういう女なの

笑いたければ声を上げて笑うわ

私を好いてくれる人が好き

好きな人が毎回同じじゃないのは

私のせい?

私は私

私はそういう女なの

これ以上何を望むの?

私に何を望むの?

・・・

 

他にもこの詩集にはあの有名なバルバラとか、短くてちょっと可愛らしいのとか、反戦の詩とか、たくさん入っています。

 

 

私が買ったのは、残念ながら閉店してしまった欧明社でした。原書で読める喜びがちょっとわかりかけてきた頃、上京の折には「読める読めない」でなく、「気になる!」だけで買っていました。

 

 

今、そんな、自分の直感で買った本が、本当に私を楽しませてくれています。

 

 

欧明社さんがなくなってしまった今は、もっぱらこちらで購入しています。

フランス語専門オンライン書店 Les Chats Pitres レシャピートル

 

 

先日のぞいたら、Parolesが売ってたのでなんだか感激してしまいました。

les-chats-pitres.com

 

 

 

このブログを読んでくださっている方の中で、もし「え〜、原書で読むなんて、まだ難しいわ・・・」と思われているフランス語学習者の方がいらしたら、ぜひ、ちょっと背伸びをしても、気になる本はご購入されることをお勧めします。

 

 

語学上達の秘訣は、続けること、それに尽きると思います。

 

 

付け加えるなら、「興味に惹かれて」続けること。

 

 

そして、もう一冊おすすめしたいのは、先月紹介したLa Carte postaleです。

 

なんとこれも、まだ少し在庫があるみたい。これは本当に素晴らしい本でした。

 

francemonamour.hatenablog.com

 

買った時は読めなかったけど、1年後、2年後に再トライしたら、あら?読めるじゃん、と言うのも嬉しいものです。

 

 

語学の上達は人と比べるのでなく、自分が物差し。

 

 

私の場合、すでに色々買いすぎちゃってる感もありますが、「気になる本は買っておく」は正しかったと思っている今日この頃です。

 

必見!太陽劇団の金夢島:Théâtre du Soleil・L'île d'or

10月20日から26日まで(23日は休演)東京芸術劇場にて、アリアンヌ・ムニューシュキン率いる太陽劇団による「金夢島」の上演があります。

 

 

rohmtheatrekyoto.jp

 

www.theatre-du-soleil.fr

 

 

9月号の「ふらんす」に載っていたのですが、面白そうだけど、東京なんてどうせ行けないし・・・と思って日程を見てみると、なんと、ちょうど3日間の予定で東京に住む義母を訪ねる日程と重なっていました!

 

なんとラッキーなこと。だって、東京行きの航空券はすでに買ってしまっていたのですから、ちょっと公演がずれていたら、とてもとても残念なところでした。

 

京都ではロームシアターにて11月4日、5日公演があります。

 

 

パリのヴァンセンヌにある弾薬庫を改装した太陽劇団の拠点では、劇団員による食堂があり、出演前の様子を見ることができる仕掛けもあります。行ってみたい!

 

www.youtube.com

 

 

1964年、アリアンヌ・ムニューシュキンは、世界で一番美しく、輝いていて、愛のあるところにしたいと「太陽劇団」を立ち上げました。

 

団員はさまざまな国籍の者たち100人以上で構成されており、共同体を形成しています。つまり皆平等ということです。劇団で大事なことを決めるときは皆で意見を出しあ合い、給料は全て平等です。

 

 

今年84になる彼女は年金改革のデモにも参加しています。

 

www.bfmtv.com

ボルヌ首相に言いたいことはありますか?と問われたムニューシュキンはこう答えます。

 

Prenez 8 jours, engagez-vous comme femme de chambre dans un grand hôtel, et vous allez en apprendre plus sur la pénibilité du travail que dans toutes vos études.

「1週間、大きなホテルの清掃係をやってみてちょうだい。そうしたら、この仕事の大変さがよくわかるはずよ。どんな「調査」よりもはっきりするわ。」

 

 

 

こちらでは若い頃のインタビューも見られます。

 

www.youtube.com

 

知れば知るほどこの劇団とムニューシュキンに惹かれます。

 

 

HugoDécrypte-マクロン大統領にインタビュー

9月5日に行われた26歳のジャーナリストHugo Traversによる、マクロン大統領のインタビューがすごかった!

 

彼の動画はたまに見ていましたが、喋りが早くて、聞くだけだとざっくりとしかわかりません。たまに関心のあるものは字幕チェックしながら見ていました。

 

聴解力をつけるために動画の要約をしてみる - 愛と平和とフランス語

 

Le débat - マクロン vs ルペン - 愛と平和とフランス語

 

 

今回のインタビューは2時間近くもあります。料理しながらざっと見ただけですが、マクロンのマシンガントークに絶妙に切り込み、問題点を浮き彫りしています。

 

 

Hugoのことを「ユーチューバー」と紹介している人が多く、そこにちょっとムカついて、この記事を書くことにしました。

 

 

1997年4月生まれ。2015年Science Po.に入り、程なくYouTubeにHugDécrypteのチャンネルを解説。主に若者へのニュース提供と目的とし、あらゆるネットツールを駆使して若者の声を吸い上げ、インタビューにも活かしています。

 

前回の大統領選挙のときは、ほぼ全ての候補者にインタビューしています。

 

 

とりあえず、最初の話題 La santé mantal の部分(13分ほど)をじっくり見てみました。

 

www.youtube.com

 

ユーゴはまず

 

「フランスは世界で7番目の大国でありながら、若者の5人にひとりが鬱傾向にあり、自殺者も過去最高に増えている。なぜこのような深刻な事態になっているのか?対策は?」

と問います。

 

 

これに対してマクロン

 

政府として予算はかなりかけている

大学生になるよりもっと前から適切な診断をすること

なぜそうなったかを見極め、予防に力を入れる

若者には利用券を発行して、診療代の負担をなくす

精神科医が少ないのは事実なので、これから10年かけてもっと養成していく

 

 

などなど力説するのですが、ユーゴは相手の言ったことをきちんと聞いた上で

 

「確かに予防は大事ですが、今、危機的状況なんです。10年後、でなく、今、どうしますか?自殺者の多さには心が痛みます」

 

 

というのですが、マクロンの返事は同じことを言い方を変えて言っているだけ。

 

 

私は今回初めてマクロンの話をじっくり聞いてみて、「あれ?意外と中身がない?」と感じました。

 

 

それに比べてユーゴの質問の無駄がない的確さや、相手に敬意を払いつつ質問している態度に感心しました。

 

 

続きも少しずつ聞いていきたいです。テーマごとにタイムコードが付けられているので、細切れでも見やすいですし。

 

やはりユーゴはユーチューバーではなく、ジャーナリストと呼ぶべきですね。

 

とにかくすごい数の動画をあげていますが、通常は10分程度なのでアクチュアリテに通じておくのに役立ちます。最近はメインのテーマはユーゴが、その他の話題(海外含め)はスタッフが紹介しています。

 

オマール・シーやアンジェルなど、有名人へのインタビューもしています。信頼されているのでしょうね。

 

 

日本にはジャーナリストと呼べる人が本当に少なくて、まともなインタヴューや記者会見なんて久しく見てない気がします。そもそも政治家が自分の考えを言えない情けない国です。

 

 

ユーゴの5年後、10年後はどうなっているんだろうな。